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33:楽園に続く海~夫婦の絆

こんにちは、今日は平日ですがお休みです。
世間があわただしく動いている平日に、
のんびり街を歩くとなんとも贅沢な気持ちになりますね。

さて・色々な出会いそして別れを繰り返す中で、
人それぞれの物語がそこにあると思います。
私が特に印象に残っているご夫婦の話を・・・

以前休日診療所のバイトに行ったときに、
年配の内科医K先生とご一緒したことがありました。
休日診療所は基本的に暇なので、談話室でくつろいでいたのですが
その時「実は妻を亡くしまして」とお話を聞かせていただいたのです。

K先生は70才近いベテランの内科の先生。
その奥さまが病に倒れたのは
「そろそろ一線をしりぞいて、のんびりしようか」と
K先生が考えはじめていた頃だったとか。

病気は進行した胃癌で、一度は手術を受けるもすぐに再発。
さらに転移も見つかり尽くす手がなくなり自宅へ戻ることに・・・

そんな時、「旅行に行きたい」と突然奥さまがおっしゃったそうです。
つつましい奥さまはそれまで、洋服やアクセサリーを欲しがった事もなく
ましてや「旅行」などと言い出した事はなかったそうですが・・・
「パースの海を見たい」と何度もK先生におっしゃったとか。

体の状態はかなり悪く、旅行先で急変してもおかしくない状態でしたが
奥さまのはじめてのお願い、しかも最後になるかもしれないお願い。
K先生は必要な医療器具を荷造りし奥さまとパースに飛びました。

「パースの海はまさに楽園の海でしたよ」
K先生は目を細めておっしゃりました。
誰もいない海岸は限りなく静かで、
白い砂とどこまでも続くエメラルドグリーンの海・・・
「天国はまさにこんな場所だろうと思いました」

33:楽園に続く

K先生は奥さまと並んで海を見ながら、
素直に「ここでこのまま妻と一緒に死にたい」と思ったそうです。

「天国はきっとこんな感じの場所ね、これなら死ぬのも悪くないわ」
奥様が海を見ながら笑顔でそう言うのを聞いて、
本当に悪くない、とK先生が答えると
奥さまはK先生の気持ちをみすかしたかのように続けたそうです。

「私はこんな素敵な場所で幸せにしてると思っていてね。
 そして長生きして。私はずっと待っていますからね。」

奥さまにとっては自分が死ぬことよりも
自分亡き後にK先生が自分のあとを追うのではないかと
それが何よりも心配だったのでしょう。

「長生きすると妻と約束してしまったので、
 私は今もこの仕事を続けて頑張っているわけです」
K先生はそういいながら、パースの海の写った絵葉書を私に見せ
「この海は、妻のいる楽園に続いているんですよ」
そういいながら笑顔を浮かべられました。

奥さまの人生で初めてのわがままは、
K先生へのかけがえのないプレゼントだったのではないでしょうか。
自分が死のうとする時に、不安や悲しみを心に隠し
残される夫の幸せを願ったK先生の奥さまは
心からK先生の事を思ってらしたのだろうと心が熱くなりました。

K先生は年上だった奥さまの年齢を追い越して
今でも現役でお仕事を続けられています。

楽園に続く海で待つ奥さまの姿を胸に
生き生きと仕事をなさる先生のうわさを耳にするたびに
夫婦の絆の強さを思い出し、お2人に憧れに似た気持ちを抱きます。


32:霊感はありますか?

こんにちは、6月も最終日。
1年の半分が終わったんですね・・・早いものです。
新病院で1ヶ月過ごしたことになりますが、
不慣れな事が多くて毎日ドキドキしながら過ごしています。

さて、病院につとめている言うと時々聞かれますが・・・
私は幽霊を見たことは一度もありません。
おそらく霊感がないためだと思います。

病院は生死のはざまになる場所、
他の場所よりそういう話が多くてもおかしくないのかな、とは思います。
もし幽霊が見えるとしたら、病院は幽霊だらけでさぞお仕事が大変でしょうね。
自分の霊感のなさに感謝するべきなのかもしれません。

32:霊感は

ちなみに私は、誰もいない深夜の外来で仕事をしていても
不意の泊まりで寝る場所があいていなくて
ご遺体さまの使うお部屋で休んだりしたりしても
幽霊の気配すら感じた事がない鈍感ぶり。

これからも未知とのそうぐうはなさそうな気がしますが、
死んだあとに何かしらあるほうが楽しそうだなと思うので
幽霊自体は無理やり信じている私です!

今日は夏を先どりして、
少し趣向を変えてひんやりした話題にしてみました。
あまり怖くはないですけれど・・・それでは、また。


31:意中の人の瞳孔チェック

こんばんは、今日は日曜日ですがコンタクトレンズ外来のバイトでした。
前回行ったときに、あまりにお客が少なくて暇だったので
ミステリー小説の文庫本を4冊持ちこんでみたのですが・・・
すべて読破して2周目に突入してしまいました。

あのお客がすごく少ないコンタクト販売専門のチェーン店は
どうやって収支が成り立ってるのかいつも不思議です。

さて、今日は眼科つながりで散瞳のお話でも。
そもそも散瞳ってご存知ですか?
茶目(虹彩)の中央にある黒目(瞳孔)を大きくすることです。
カメラの絞りのようなものなので、暗いところで自動的に大きくなりますが
眼科で目の奥を診察するときに目薬で大きくすることもあります。

31:瞳孔が

薬で無理やり大きくするので、明るいところでも瞳が閉じないので
光が入ってまぶしいですしピントも合わなくなってしまいます。
人によっては半日近く続くこともあるので
「散瞳検査のとき、車を運転してこないように」と事前にお伝えしていても、
忘れて車や自転車で来てしまう人がけっこう多いです。

せっかく眼科に来たのに、検査ができなかったり二度手間になるので
眼科に行くときは、車で受診しないほうがいいと思います。

ちなみに散瞳は、単に暗いとき・点眼をしたときだけではなくて
薬やケガ・他の病気でなることもありますし
驚いたりなどの精神的なもので起こることもあります。

興味深いところですと、好意を持ったときに散瞳するらしいです。
(たとえば美しい女性を見たとき、男性の眼が散瞳したり・・・)

ちなみに私は病院実習中に同期の医学生が、
「見て、すごく美人な看護師さんがいる!」と私に耳打ちしてきた時に
ぱーっと瞳孔が散瞳する瞬間を見たことがあります。
そのときは、まるでマンガの中のような彼の瞳孔に大笑いした覚えが。

意中の人を前にしたときは、
瞳孔を変化をさりげなくチェックしてみると脈ありかわかるかも?
ただし女性は赤ちゃんを見ても散瞳するそうなので
男性の方は勘違いすることのないように・・・

ではでは、雑学のような記事ですが今日はこのあたりで。